隠し金庫本
一見ちょっと厚みのある辞書のようだが、中を開くと貴重品などを隠す金庫になっている本がある。これは本型隠し金庫というもの。古い映画に、本の中身をくりぬいて拳銃を隠すシーンがあったが、こちらは映画の小道具として本を加工したものだろう。いずれにしろ、どちらも本の形をしているが読むことは出来ない。
中をくりぬきながら、本文を読めるように造られた本がある。「スネークマンショー・核シェルターブック」(角川書店、1983)は、付属オーディオカセットを本のなかに収めている。あらかじめカセットの寸法にあわせて空間をつくり、それに合わせて文と画をレイアウトしているのだ。
スネークマンショーについてはWikipediaにもあるので説明は省くが、「核シェルターブック」は、外も中も凝ったつくりの本だ。箱は金属を連想させる色合いでデザインされ、本体は三段組、二段組、一段組みとバリエーションに富みカラー図版も多用されている。編集者がやりたいことを全て詰め込んだ印象がする、とここまでは良いのだが、カセットテープの内容はいまひとつ物足りない。スネークマンショーといえば小林克也と伊武雅刀だが、小林が参加していないのだ。
それにしても、こういう遊び心のあふれた企画の本を、最近みかけない。今なら、付録にCD-ROMでなくUSBメモリをつけた本など、ありだと思うがどうだろうか。
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