ストックホルムでワルツを
音楽ファン(とくにジャズファン)のあいだで話題になっているスウェーデン映画「ストックホルムでワルツを」を有楽町のヒューマントラストシネマで観る。
映画は、スウェーデン出身の女性ジャズシンガー、モニカ・ゼタールンドが、スウェーデンの田舎町ハグフォルスからストックホルムへ向かいさらに世界的に認められる歌手になるまでの半生を描いている。シングルマザーのモニカの人生は、父親との不和、ようやくつかんだ海外公演もつまづき山あり谷あり。そんな困難があっても、ジャズを母国語(スウェーデン語)で歌うことを見出し、より高みを目指して夢を実現するストーリー。この展開は若い女性にも共感を呼びそうで、当日の映画館も女性が多かった。
主演のエッダ・マグナソンは、スウェーデンの歌手。時代考証にも気を使ったようで、登場するクルマやファッション・家具や小物も1960年代らしさがあふれている。トミー・フラナガンとの共演、エラフィッツジェラルドとの出会い、ビルエバンスとの共演と、1960年代のジャズシーンをうまく再現していて、オジサン世代も楽しめる作品になっている。
最後にYoutubeにあるエッダ・マグナソン(Edda Magnason)の歌からお気に入りを紹介しよう。「Trubbel」は、映画の中では一部しか流れないが、北欧らしい透明感のある曲はスウェーデンのフォークソングが原曲、モニカ本人も歌っていたが最近ではジャズサックス奏者スコット・ハミルトンも演奏している曲だ。
| 固定リンク
« 忘れるメカニズム | トップページ | 隠し金庫本 »
コメント
今日の午前の回まで上映していた下高井戸シネマでようやく観ました。何処まで史実に忠実なのか分りませんが、10年前の不慮の死(寝煙草による火災で焼死...)を思い起こさせる生活態度に唖然としましたが、死者に鞭打つようなことはせずにファンタジックなラストシーンにしたのはモニカへのリスペクトからでしょうね。
投稿: iGa | 2015/05/15 15:30
iGaさん、コメントありがとうございます。
グイグイ突き進む主人公にちょっとひきそうな部分もありますが、時代の空気感がうまく描かれていた印象を持ちました。北欧の自由な気風とアメリカでの黒人ジャズメンの楽屋待遇などの場面をみると、黒人ジャズメンがヨーロッパに活動拠点を移したのもうなずけるような。
投稿: じんた堂 | 2015/05/15 20:22