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2016/10/02

もう一つの「あまカラ」本

 以前、冨山房の思い出の中で富山房百科文庫の「あまカラ抄」を紹介したことがあるが、先日、もう一つの「あまカラ」本にであった。

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 「あまカラ」をもう一度復習すると、「あまカラ」は大阪の甘辛社が、昭和26年から43年にかけて200号まで発行した食に関する小冊子。版型は、B6版横開き(銀座百点と同じというか、こちらが先だが)。じつは、甘辛社は和菓子の老舗である鶴屋八幡のなかに置かれており、その社長がオーナーとなり発行していた。執筆陣は当時の有名作家や文化人が名を連ねた。

 今回の本は、随筆「あまカラ」として大阪の六月社より昭和31年に発行されたもの。編集は「あまカラ」に連載をもっていた小島政二郎が担当しており、趣味の良いデザインの函付きとなっている。巻頭は、志賀直哉と辻嘉一の対談、つづいて徳川無声、獅子文六、安藤鶴夫など「あまカラ」に掲載されていた文章が並んでいる。

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