和もの本
このごろ”和もの本”が気になっている。先日あるイベントで本をプレゼントをすることになり、そこで私が選んだのが「京料理」の文庫本。
これは角川ソフィア文庫・ジャパノロジー・コレクションの中の一冊、このシリーズは妖怪、和菓子、根付、千代紙、盆栽などが既に発行されており、いまも増えている。いずれも文庫判でありながら美しいカラー図版を数多く収録、そのどれもが大きくて見やすく、さらに文章のレイアウトもゆったりとして読みやすい。
「京料理」は、京都の旬の素材とその料理を写真と短い文章で紹介している。はしがきに、”京都で暮らす人々が普段の生活の中で、親しんできた味”であり、”料理屋さんで出るような立派な料理ではありません”とあるように、京都の家庭で作り食べられている料理を季節ごとに紹介している。
ところでこのごろは全国の食材が手に入るようになり便利になったが、旬を感じる機会が少なくなった。たとえば冬至に食べるカボチャは夏に収穫されるが、冷暗所で保存することで甘みが増し冬至のころまで食べられる。ところが年が明けて春になってもカボチャがスーパーの野菜売り場に並んでいる。それらの産地をみると、メキシコだったりニュージーランドだったりして、流通の進歩が旬の狭間をどんどん埋めている。
こうなると京都に限らず地元でとれた野菜を旬に味わうことは、とても難しいかもしれない。しかしそれゆえ、試したくなるのもうなづけるのだ。
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