もう一度コンパクトカメラ・ズーム編・FUJI Silvi F2.8
2003年頃、すでに私のメモ用カメラはフィルムからデジタルに移っていたが、ある日、量販店で面白そうなフィルムコンパクトカメラをみつけ購入した。いまのところ、これは私が最後に買ったフィルムカメラとなっている。
Silvi F2.8 は、24mm F2.8 ~ 50mm F5.6 5群6枚構成のレンズをもつズームコンパクトカメラ、重量は電池別(CR2)で170g。最短距離は35cm、シャッターボタンがボディ上部の左右にそれぞれあり、メーカーはツインシャッターボタンと称していた。通常はシルバー外装だが限定でブラック外装モデル(上記写真)も発売され、それには露出補正機能が追加されていた。
Silvi F2.8でよく語られるのは、シャッターボタンが左右両方についているので右利きでも左利きでも使いやすいという話。たしかにそのようなメリットはあるが、じつは左右二つのシャッターはセルフショット(いわゆる自撮り)のためだ。説明書によれば、Silvi F2.8にはセルフショットモードがあり、それを選ぶとレンズ焦点距離が24mmに固定され、カメラ前部についているミラーを見ながら撮影するとある。そのときシャッターボタンが左右両方にあると、自分にレンズを向けたときいつもの利き手で押せるのだ。
いろいろ面白い機能が盛り込まれているこのカメラの一番の特長は、なんといっても24mmF2.8からはじまるズームレンズ。このカメラが販売されていた頃のコンパクトカメラのズームレンズは、38mmからはじまるものが多くて、28mmからはじまるものも少なく、24mmとなるとPENTAX ESPIO24EWとこのSilvi F2.8の二機種ぐらいだった。ESPIO 24EWのズームレンズは高倍率で105mmまであったが暗く、Silvi F2.8は低倍率で50mmまでだが明るいレンズを持っていた。そのモデル名にあえてF2.8を含めたのはそのレンズの明るさをアピールしたかったのだろう。
もう一つこのカメラは、それまでのフィルムコンパクトカメラと大きく違うところがある。背面の操作系の表示とボタンレイアウトがデジカメそっくりなのだ。各種設定は大きな液晶画面に表示され、その設定はデジカメによくある十字キーで選ぶ(下記写真)。まるでデジカメで開発された新技術をそのままフィルムカメラに移植したような印象をもってしまう。
下の写真は、2003年10月4日リバーサルフィルムRDP IIIで撮影したものを、最近になってデジカメ+スライドコピアでデジタル化したもの。
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