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2019/01/12

それスカーフです

 風が冷たくなりマフラーをする季節になると思い出すことがある。かつて海外出張したとき現地でマフラーを買おうとしたら、”Muffler”(マフラー)という言葉がまったく通じなかった。ウィンドウに飾ってあった実物を指さししたら、それは”Scarf”(スカーフ)ですと教えてもらい何とか買うことができたが。

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 マフラーは和製英語でしょうと言う人もいるが、辞書にも載っている英単語だ。念のため英英辞書OALDで「Muffler」を調べると、マフラーは首の周りを温める布だが、それは古い用法であり、同義語はスカーフ(Scarf)となっている。「Muffler」の二番目の意味はクルマのマフラー(消音器)だ。

 言葉は時代に応じて変化するが、一度母国を離れるとその変化が及ばないことがある。その結果、母国では使われなくなった言葉がかの地で生き続ける。以前、南太平洋の旅番組で、現地の人が映画のことをカツドーと言っていると紹介していたが、それはいまや日本では聞くことがない活動写真という古い言葉からきたものだそうだ。これは活動写真という言葉を知っていればなるほどとなるが、知らなければそれ何となってしまうだろう。

 マフラーの話に戻ると、クルマの消音器としての用法は英語も日本語も同じだが、首に巻くマフラーは現代英語ではスカーフと言うことになる。これは日本人が海外で買い物するときだけでなく、英語圏の外国人が日本で買い物するときもある話だ。

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