駄カメラ
駄カメラという文字を初めて見たときはオモチャのカメラのことかと思ったが、「駄カメラ大百科」(石井正則、徳間書店)の紹介文でその意味を初めて知った。駄カメラとは駄菓子のように手軽に楽しめるカメラ、具体的には「¥3000以下で買った中古フィルムカメラ」だそうだ。
この価格帯の中古カメラとなると金属ボディのオールドカメラはまず購入が難しく、80年代に数多くあったプラスチックボディのコンパクトカメラとなるだろう。幸いこの時代はカメラメーカーが数多くあり、ニューモデルを次々発売していたので選ぶのに困ってしまうほど種類が多い。
手元にあるオートロン2(PC35AF-M)は、一眼レフカメラで有名なPENTAXが発売したコンパクトカメラ。私が出張用に購入したものだ。ボディの一部がスライドしてレンズをカバーするいわゆるカプセル型のボディをもち、レンズは35mm/F2.8の5群5枚構成という贅沢なもの、オートフォーカスながらファインダー内で距離指針が動きおおよその距離が分かる凝った機構が盛り込まれている。
しかし弱点もあった。単三電池2本が入るフタの部分がプラスチック出来ているが、このフタの取り付け部が割れてしまい電池がしっかり収納できなくなった。とりあえずガムテープで押さえてしのいだが、この部分はもう少し強化してほしかった。たぶん今は中古カメラ屋のジャンク箱あたりに数百円で放り込まれているだろうが、もし購入するなら電池フタは要チエックだ。それにしてもこのカメラが現役だった頃を知るものにとっては、これを駄カメラと呼ぶのはちょっと抵抗がある。これは決して安物のカメラではなかったのだ。
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