Y3・SS
写真文学散歩は、それぞれの写真の撮影データを記載している。たとえば続写真文学散歩の太宰治「斜陽」のページは伊豆半島からみた富士山の写真にオリンパスレフ・F5.6・1/200・Y3・SSとある。オリンパスレフはカメラ名、F5.6・1/200は絞りとシャッタースピードだが、Y3・SSとは何だろうか?
Y3は、レンズに付けるフィルターの種類を示している。父親がモノクロフィルムで写真を撮るとき、レンズに黄色いフィルターを付けていたことをかすかに覚えている。そのフィルターはY1,Y2,Y3と数字が大きくなるほど色が濃くなり、モノクロ写真のコントラストを強調する効果がある。SSはフィルムの感度を示している。かつてフジフィルムから販売されていたモノクロフィルムは、ネオパンS、SS、SSSの3種類あり、その感度はISO50,100,200であった。つまりY3・SSは、レンズに濃い黄色のフィルターを付けてISO100のフィルムで撮影したことを表しているのだ。
デジカメは、ISO感度はカメラ本体で大きく可変できるし、コントラストも写真ソフトで調整できるのでフィルターを意識する機会は少なくなった。フィルム撮影用のフィルターは、今はまだメーカーのカタログに載っているが将来はどうなるのだろうか。
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