小さい紅葉みつけた
今年の紅葉見物はどうしようか迷っていたら、近所で小さな紅葉をみつけた。
細いツタが竹に貼りつき上へ伸び、その葉が赤く色づいていた。葉の直径は1cmにも満たない小さなもの、一見、ミニチュア模型のようだがすべて本物である。盆栽の紅葉は、どこか人の手が入っていることを感じさせるが、これは完全に自然が作りだした紅葉風景。しかも葉だけが小さいのでなく、葉も枝も全てバランスよく整っている。
ところでツタに関して興味深い話がある。それは、平安時代の枕草子にある”削り氷にあまづら入れて”の”あまづら”は、ツタの樹液から作られたという話だ。
奈良女子大学は、「幻の甘味料あまづらの再現実験」として、その実験の記録と成分分析の結果を公開している。その中で、ツタから樹液(これを「みせん」と呼ぶ)を採取し煮詰めるまでの工程、さらに出来上がった「あまづら」の味について”なんとも上品、さらりと甘い、後味すっきり雑味なし、砂糖とも違い、ハチミツやメープルシロップとも違う”などの感想を紹介している。その原料となるツタは特別なものでなく、秋になると紅葉するよく見かけるツタだそうだ。
それにしても、近所でこのような紅葉が見られるとは思ってもみなかった。もしかしたら、これは遠出しなくても身近に紅葉はありますという自然の神様からのメッセージかもしれない。
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