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2021/09/04

バス旅ミステリー

 「バスを待つ男」(西村健、実業之日本社文庫、2020/4)は、ミステリー小説。シルバーパスを利用して小さなバス旅をする現役引退した男が、旅の途中で出会った謎を解く話。

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 ストーリー展開のきっかけとなる都内バス路線の描写は、その路線を知る人なら思わずそうそうとなるし、未知であればこういう路線もあるのかと乗ってみたくなる。主人公は元刑事だけあって観察眼はなかなかのものだが、その推理力には意外な秘密が潜んでいる。その秘密とは何かは、本書を読んでのお楽しみだ!

 ところで久しぶりに乗った地元のバスで不思議なことがあった。バスが来たので行先表示を確認し乗車。これでOKとのんびり外の景色を眺めていたら、いつも左に曲がる角をそのまま直進した。もしかして行先表示を見間違えたのか、いや道路工事で運行ルートが変更されたのかと思いはじめたころ、見慣れた終点の景色が現れた。

 家に戻りバス路線図を調べたら理由が分かった。じつは私が乗車した停留所は、同じバス会社が運行する二つの路線がちょうど重なる所で、終点は同じだがそのバス停の前後はそれぞれまったく異なるルートを走るのだ。こうして私のバス旅ミステリーは、あっけなく解決した。

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