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2023/01/29

寒波に震える

 10年に一度の強い寒波に、ちょっとバタバタしてしまった。その日の朝、部屋のファンヒーターの運転ボタンを押したら室内温度は5度を示し、久しぶりの低い気温に震えてしまった。

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 前日に水道管凍結の注意とその対策方法をTVニュースで紹介していたので、我が家の北側壁にある地面から立ち上がっている水道管をチェックしたら問題が見つかった。まずは巻いてあるテープが所々で破れ保温チューブが見えている、さらに地上15cmぐらいの箇所で保温チューブが破れ、水道管が長さ3cmほど露出し直接外気に触れていた。

 わずか3㎝といえども直接外気に触れているのは、放置できないだろう。そこで応急処置として梱包に使用するクッションシートをぐるぐる巻きつけ、それをビニールテープで止めておいた。この処置が効いたのか水道は凍結しなかったが、これはあくまで応急処置、翌日ホームセンターで新しい保温チューブを購入し付け替え、テープの破れも補修した。

 ところで学校を卒業した年の冬、短い期間だったが寒い地で暮らしたことがある。今でも覚えているのは、寒い時の湯沸かし器の扱い方を教えてくれた地元の人の話。

 それは、電気がなくても使える湯沸かし器は停電時でもお湯が使えて便利だが、凍結すると内部パイプが損傷して使えなくなるので、夜寝る前に必ず水抜きをして下さい。電気式の凍結防止ヒーター付きのものは、このような処置は不要だが、大雪になると停電することがあるので注意して下さいという話だった。初めは、そんなものかと思ったが、いざ寒さが厳しくなったらなるほどとなったのだ。

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2023/01/21

荷風の書斎を見学する

 昨年末、永井荷風の書斎が市川市役所内に再現されていることを知った。

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 ちょうど年に一度の書類処理のためそちら方面へ出かける予定があったので、ちょっと寄り道して見学してきた。

 永井荷風は、1958年(昭和34年4月30日)、千葉県市川市にある京成八幡駅近くの自宅で亡くなった。市役所1階隅に再現された荷風の書斎は、遺族が長年保存していた書斎の建具をそのまま使用し、それに火鉢・文机や文具類(硯や筆)などを配置している(これらは複製品)。襖二枚分の大きな書棚が作家の部屋を思わせるが、書斎はじつに質素である。

 再現された書斎の横に妙にリアルな永井荷風の像が置かれており、大柄で高身長だったことが分かる。さらに書斎の左に市川駅付近、右に京成八幡駅付近を描いた大きな壁画(下の写真)がある。駅や商店や銭湯などをぎゅっと詰め込んで描いており、そこには荷風がたびたび食事をした大黒家もある。

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  ところで上の画にある景色は、いまはすっかり様変わりしている。現在の京成八幡駅は、上下線の真ん中にホームがあるいわゆる島式ホームになっている。駅前にあった大黒家はビルに改築し営業を続けていたが、いまは閉店しており残された建物は社会人講座の会場として利用されている。

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2023/01/14

「殿山泰司ベスト・エッセイ」を読む

 殿山泰司は、数多くの映画に出演した俳優であるとともにエッセイストとして多くの文章を残した。ちくま文庫からはかつて10冊ほど刊行されていたようだが、いま新刊書店で入手可能なのはこの「殿山泰司ベスト・エッセイ」だけ。

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 自らを三文役者と称した殿山泰司は、声がかかればどんな役でもするというだけあって、出演映画は300本を超えると言われ、またテレビでも活躍した。商店や町工場の主人などを演じるとぴったりはまり、いわゆる存在感のある記憶に残る脇役俳優だった。

 エッセイストとしての殿山泰司は、自身の生い立ちや兵隊生活、役者活動や映画人との交流話に加えて、ミステリ小説の書評を書いたり、またジャズを愛好しコンサートにも度々通いその演奏評を数多く残した。

 この本に収録された文章は、いずれもちょっとクセのある飾らぬ口調の文体で、ためらいがなく痛快でもある。はじめはその文体に戸惑ったが、いまであればSNSで炎上しそうな話をさらりと言ってのけるは羨ましいやら憎らしいやら、そこに不思議な魅力を感じる。

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2023/01/07

赤朽葉(あかくちば)積もる

 遅ればせながら初詣のために山の寺を訪れたら、境内隅にモミジの落葉が分厚く積もっていた。

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 紅葉はすでに終わっているが、落ち葉となってもまだ赤みを保っている。この地面の光景を見て赤い絨毯と言うのは、いかにもという感じがする。それでは何と言えばよいのだろうかと悩むが、適切な言葉が浮かばない。

 冬に見かける紅葉の名残のような落ち葉の色をなんと言えばよいのだろうか?困ったときの色事典ということで調べてみたら、退紅(たいこう)という色名があることを知った。これは紅がくすんだ色とされており、鮮やかな紅葉がすこし色が抜けてきた状態を示すのに使えそうだ。

 しかしこれでは落ち葉であることが伝わらない。そこで落ち葉に関係する色を探したら、朽葉(くちば)という色名を見つけた。色サンプルは明るい薄茶色、たしかにそのような落ち葉はよく見かける。しかし落ちてなお赤いことが伝わらないと思ったら、赤みを帯びたものを赤朽葉(あかくちば)と呼ぶとある。ということで上に載せた写真を「赤朽葉積もる」としてみた。

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2023/01/01

梅ほころぶ

 新年最初の話題は、ここ数年観察している早咲きの梅。クリスマス寒波の影響だろうか、それは12月後半に3輪ぐらい咲いたところで足踏みしていた。

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 それが正月を迎えてようやく5輪を超えてきた、これなら梅の開花宣言をしてもよいだろう。

 それにしても以前は、梅の花などまったく気にもとめなかったのに、この頃はサクラより気になる。寒さにかかわらず咲く姿に、どこかひきつけられる。

 ところで、とてもかすかで気づきにくい梅の香だが、天気や風向きによっては、梅の花の近くを通ると何か空気が違うように感じることがある。様々な香りがあふれる現代でもこうだから、平安時代の人々ならもっと敏感に梅の香をとらえ感動しただろう。梅の香を詠んだのはそういうことかもしれない。

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