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2023/01/21

荷風の書斎を見学する

 昨年末、永井荷風の書斎が市川市役所内に再現されていることを知った。

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 ちょうど年に一度の書類処理のためそちら方面へ出かける予定があったので、ちょっと寄り道して見学してきた。

 永井荷風は、1958年(昭和34年4月30日)、千葉県市川市にある京成八幡駅近くの自宅で亡くなった。市役所1階隅に再現された荷風の書斎は、遺族が長年保存していた書斎の建具をそのまま使用し、それに火鉢・文机や文具類(硯や筆)などを配置している(これらは複製品)。襖二枚分の大きな書棚が作家の部屋を思わせるが、書斎はじつに質素である。

 再現された書斎の横に妙にリアルな永井荷風の像が置かれており、大柄で高身長だったことが分かる。さらに書斎の左に市川駅付近、右に京成八幡駅付近を描いた大きな壁画(下の写真)がある。駅や商店や銭湯などをぎゅっと詰め込んで描いており、そこには荷風がたびたび食事をした大黒家もある。

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  ところで上の画にある景色は、いまはすっかり様変わりしている。現在の京成八幡駅は、上下線の真ん中にホームがあるいわゆる島式ホームになっている。駅前にあった大黒家はビルに改築し営業を続けていたが、いまは閉店しており残された建物は社会人講座の会場として利用されている。

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