縁側のある家の間取り図を読む
先日、昭和初期の建築資料を探す話が持ち上がった。そのような本を身近で見たような記憶があったので、我が家の積読本山を調べたが見つからない。
一日かけて探したが、どうしても見つからない。ついにあの本は、興味をもち中身をじっくり見たたが購入を断念したかもしれいとの思いに至った。つまり買っていないと思ったのだ。期限がせまっていたので、とりあえず建築関係の本を扱う古書店で記憶にあるものに似た本を購入してきた。
ところが二週間後、段ボール箱に詰め込んでいた紙袋から探していた本がでてきた。やはり買っていたのだ!自分のポンコツぶりにちょっと凹む。
さてどのような建築資料を探していたかというと、それは昭和初期の縁側のある家の間取り図を含む住宅図集。
あらためて住宅図集を開くと、これは令和の時代では無理だろうと思うものがある一方、いまでも暮らせそうなものもある。たとえば上に載せたのは昭和5年と昭和14年発行の住宅図集の1ページ。どちらも和室三部屋(右は8,6,6畳、左は8,6,4.5畳)に台所・浴室・トイレ・押入れがついた縁側をもつ木造平屋である。これなら二部屋をつなげて大きな部屋にするなど、いろいろな住み方が出来そうだ。
それにしても住宅図集は、見方というか読み方によってはその時代の暮らしを知る資料として使えそうだ。一戸建てなのに風呂なし、これはたぶん銭湯利用を前提にしたものだろうか。また大きな家に書生室や女中室と書かれた三畳ほどの小部屋、古い日本映画で見たお屋敷の生活がそこにある。
これらは建築の専門家なら何をいまさらかもしれないが、私にとってはいずれも新たな発見だ。
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