オーディオ

2022/08/06

紙ジャケCDに悩む

 ジャケット裏の解説文を読もうとメガネを取り出したら、「年寄りみたいですよ」と喫茶店のマスターから言われてしまった。

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 いやもう歳ですからと答えながら、そういうマスターも私と同じ年齢だっとことを思い出した。マスターもそれに気づいたのか、「私たちの歳ではそれは読めないですね」と言いながら、棚から取り出したLPをこれどうそ渡してくれた。

 私が読むのに苦労していたのはLPレコードをそのままCDサイズにした紙ジャケットのCD、いわゆる紙ジャケCD。表の画とアルバムタイトルは読めるが、裏の解説文が読みにくい。なにしろ30cm四方のLPジャケットを12㎝四方のCDジャケットに縮小すると、5㎜角の文字も2㎜角になってしまう。

 やはり、LPジャケットはあのサイズならではデザインがされていたのだろう。紙ジャケCDにLPと同じものを求めるのは無理と分かっていても、ついぐちがでてしまうのだ。

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2022/06/11

答えはOBIでした

 新刊本を手にすると、XX賞受賞とか映画化決定などと書かれた帯をよく見かける。かつてLPレコードにも似たようにグラミー賞受賞とか来日公演記念などと書かれた帯がついていた。

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 ずっと疑問に思っていたのは、このような帯は海外(たとえばアメリカ)にもあるのだろうか?もしあるならば何と言うのだろうか? 以前、アメリカで暮らしたことがある人にこの疑問をぶつけたら、”気にしたことがないけど、見たことないような”となり、もちろん帯を示す英単語もはっきりしなかった。

 その後海外のレコード事情に詳しい人から、それは英語でも「OBI」と呼ばれているとの話があった。日本の中古レコードに興味をもつ海外マニアの間では、OBIという単語はずっと前から使われており、例えばアメリカのオークションサイトebayでJapanese vinal recordsを検索すると、レコードのコンディションを示す中にOBI:EXなどと表記したものがあり、これは帯の状態を示すそうだ。

 ということで本の帯のことははっきりしないが、レコードの帯は英語でもOBIと言うのが答えのようだ。

 上に載せた写真は、輸入盤ナタリーコールのアルバムと国内製造のブルーノートジャズのアルバム。ナタリーコールのアルバムはグラミー賞を受賞したアルバムだが小さな赤いシールがひとつ貼られているだけ。その下にあるのはキングレコードから発売されたブルーノート150選の中の一枚、その左端には幅広の帯がかけられている。

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2022/04/10

ワイドFM対応ラジオに悩む

 前回の「AMラジオ放送が消える日」の中で、我が家のいま使っているラジオがワイドFMに対応していないことを書いた。

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 東京でワイドFMの予備免許交付されたのが2014年、正式スタートしたのは2015年、私のラジオはこれらより前の2013年発売だからワイドFMに対応していなくても仕方ない。

 ところが我が家にある古い1999年製ラジカセ(上の写真)はワイドFM放送を聴くことができた、これはどういうことだろうか?

 じつはいまワイドFMに利用されている周波数(90-94.9MHz)は、もとはアナログTVで使用されていた帯域の一部であった。古いラジカセのFMバンドの端に1,2,3と書かれているものがあるが、これはアナログTV1,2,3chであり、このようなものはワイドFMを聴けるのだ。

 残念ながらこの古いラジカセは、動作が不安定で現役復帰は無理そうだ。ということでワイドFM対応ラジオの悩みはまだまだ続く。

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2022/04/03

AMラジオ放送が消える日

 いまラジオ放送は、AMとFMの二種類の電波形式で行われているが、そのAMを停止してFMに一本化する話がある。

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 東京ではTBSラジオ、文化放送、ニッポン放送が、AM放送と同じ内容をFMでも同時放送している。このFM放送は、AM放送の難聴対策や災害対策のためのものでワイドFM(FM補完放送)と呼ばれている。FM一本化は、AM放送を停止してFM放送のみにするもので、その実施目標は2028年とされている。

 FM一本化は、全国の民放ラジオ47局のうち44局が実施を目指している。その目標は2028年だからまだ先と思いがちだが、じつは実証実験が2023年と2025年に予定されている。どの放送局がどのような実験を行うか分からないが、来年には何らかの実験が行われそうだ。

 またNHKはFM一本化の予定はないが、NHKラジオ第一と第二を統合しAMを一本化する計画がある。こちらの目標は民放のFM一本化より早く2025年とされている。

 いまやラジオはネットでも聴けるので、電波によるラジオ放送の動向を気にする人は少ないかもしれないが、ケータイの3Gサービスが終了するのと同じようにラジオ放送も変化しつつあるようだ。

 ところで上に載せた写真は私が使っているラジオだが、じつはワイドFM対応ではない。さてどうしようか?

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2022/01/16

レコード・イコライザーに悩む

 カフェのマスターが珍しいレコードを見せてくれた、それは1940年代に製造されたアメリカ軍用のレコードだそうで、詳しいことはいずれマスターが記事にするだろうからここでは触れないが、もしそれを再生するとしたらどうなるか考えてみた。

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 製造時期から、それが78回転SPレコードであることは明らかだ。78回転のプレーヤーは中古で入手可能だし、カートリッジはいまでも新品が入手できる。となれば再生は簡単そうに思えるが、録音時の音になるべく近づけて再生するには適切なフォノイコライザーを用意しなければならない。

 レコードに記録される音は、低音から高音までフラットでなく、低音は振幅を小さくし、高音は振幅を大きくしている。これによりレコード溝の振幅をある範囲に収まるようにしている。再生するときは、この逆を行う必要があり、低音を増強し高音を減衰させる。それを行うのがイコライザーだ。

 新しいLPレコードであればイコライザーはRIAAに統一されているが、初期のLPおよびSPレコードはメーカーごとに独自のイコライザーを採用していた。それを示したのが上に掲載した図 (出典 The Recording and Reproduction of Sound, 1952)。横軸は周波数、縦軸はゲインで周波数ごとのゲインの変化を示している。上からA,B,Cと三つのカーブが示されており、(A) ヨーロッパで使用されたDECCA FFRR、(B) Victor 78、(C) Columbia 78だ。100Hzの低音であれば3本のカーブの差はさほどないが5KHzの高音になるとその差は大きくなる、これはトーンコントロールで簡単に調整できる範囲を超えるかもしれない。

 話を最初に戻すと、アメリカ軍用レコードの製造メーカーはどこだろうか?VictorかColumbiaかCapitolかもしれない。複数メーカーが供給していた可能性があるが、このレコードを再生するときはどのイコライザーカーブを選べばよいのだろうか?

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2021/09/14

Music Center for PC Gracenote 接続障害の回避策

 2021/9/16/17:00、最後までエラーを表示していたCDも、正常に取り込めるようになった。これでこのページのアップデートは終了。

 2021/9/16/10:00、Music Center for PC Gracenote 接続障害は改善されつつあるようだ。いままでエラーが表示されていたCDのアルバム名、曲名、ジャケット写真が表示されるようになった。ただし、まだエラーを表示するCDもあるので、以下の内容はそのままにしておく。

 昨日・今日(2021/9/12-13)と、Music Center for PC でCDを取り込もうとすると「Gracenote サービスに接続できませんでした」と表示され、取り込みが出来ない。

Musiccenter_error

 エラーメッセージはネット接続の問題のように述べているが、これはどうだろうか。別のCDを入れたら、しっかりジャケット・曲名が表示され、また元のCDを入れたら再び同じエラーメッセージが表示された。すなわちエラーとなるCDと正常に読み込めるCDがある。さらにエラー表示を閉じた後にCD情報を取得しようとすると、Music Center for PCが応答しなくなる。いわゆるフリーズである。

 いずれ原因が究明され解決されると思うが、とりあえず以下の手順でMusic Center for PCに取り込めたのでメモを残しておく。

 これから説明するのは、CDの取り込みだけ別ソフトを使いGracenote接続障害を回避し、その後はいままで通りのMusic Center for PC を使うことを想定している。

1.Windows10のWindows Media Player (Ver 12)でCDを取り込む。

1)Windowsアクセサリの中にあるWindows Media Player を起動し、CDをセットするとアルバム名、曲名が表示される。

*2) 「取り込みの設定」をクリックし、「形式」からMusic Centerで使用しているファイル形式を選ぶ。(私はFLACを使用)

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*3)その他のオプションを開き、取り込んだ音楽を保存する場所を指定する。(私はミュージックフォルダの下にMeadiaplayerのフォルダを作り、これを指定)

4)「CDの取り込み」をクリックし、取り込みを始める。

 *2)、*3)の設定は、Media Playerに保存されるので次回からは不要。

2.Music Center for PC を起動する

1)左上の3本横線のボタンをクリックし、ファイル、フォルダーを指定して取り込むで、前のステップでCD内容を保存したMediaplayerフォルダを選ぶ。

Musiccenter_folder_select

2)これでMedia Playerで取り込んだCD(アルバム・曲)をMusic Center for PCで聴くことができた。

3.その他の代替ソフト

1)MediaGoでCDを取り込めたとの情報があった。私も古いノートブックに入っていたMediaGoを試したら、アルバム名、曲名、ジャケット写真が表示された。ただしMediaGoは、すでにダウンロードもサポートも終わっており、新た入手することは難しい。

2)iTunes でCDを取り込めたとの情報があった。私のノートパソコンのiTunesでも、アルバム名、曲名が表示された。ただしiTunesは、FLACをサポートしていないので実際の取り込みは確認していない。ファイル形式をAACやMP3でCDを取り込んでいる場合は、有望な選択肢となりそうだ。

以上

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2018/02/07

復活ソニーレコードの第一弾は

 29年ぶりにレコードの国内生産の準備をしているSME(ソニー・ミュージックエンターテイメント)の第一弾の内容が発表された。大滝詠一作品集Vol.3「夢で逢えたら」とビリージョエル「ニューヨーク52番街」の二枚が3月21日に発売されるそうだ。

 ビリージョエルのアルバム「ニューヨーク52番街」は1978年発売、TVCMにも採用された「オネスティ(Honesty)」を含むアルバムだ。

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2017/12/17

いきなりMC!

 ”レコードを聴きたいのでレコードプレーヤーを探してます”という若者の話に思わず聞き耳を立ててしまった。どうやら初めてレコードプレーヤーを買うのでカフェのマスターに相談しているらしい。”カートリッジは何にするのとのマスターからの質問に即座に”MCにします”と答えていたので相当調べているようだ。それにしても初めてレコードプレーヤーを購入するときいきなりMCカートリッジを選ぶとは、羨ましいやら本当によく分かっているのかちょっと心配になる。
 
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 カートリッジの主流である電磁型(その他に圧電型、静電型、光電型などもある)カートリッジにはMM型とMC型があるが、その動作原理とメリット・デメリットを初心者に分かるように説明しろと言われると悩んでしまう。簡単にいえば、磁石とコイルを組み合わせ磁界が変化するとコイルに電気が生じる現象を利用として、レコード針の動きに応じて磁石を動かすのがMM(Moving Magnet)型、レコード針の動きに応じてコイルを動かすのがMC(Moving Coil)型だ。MM型の小さな磁石のついた針はユーザーが簡単に交換できるが、MC型は針にコイル(その配線)がついているので針交換はメーカーに送って作業してもらうことになる。

 このように動作原理(構造)によるものだけでも、その使い勝手は大きく異なる。さらに音質や必要となるアクセサリーや価格を含めると簡単にどれが良いと言えないだろう。

 レコード・ブームということで関連の本が新たに発売されているが、製品紹介に多くのページをついやし基本的な解説が少ないようだ。ここはアナログオーディオ全盛期に出版された本の出番だ。たとえば「ステレオの実際知識」(長岡鉄男)や「オーディオの楽しみ」(瀬川冬樹)は、いまでも十分に役立つと思う。

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2017/09/23

SONY Music Center for PC を試す

 先日、ソニーから新しい音楽プレーヤーソフト「 Music Center for PC」 リリースのニュースがあった。そのときはWalkmanの新シリーズのためのソフトと思いスルーしたが、その後、Digital Audio Lab.oratoryの記事タイトルに”他社DAC接続も!?”とあるのを見て、もしかしてこれはとなった。

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 早速Music Centerをインストールして、メニューからツール・設定・オーディオ出力設定を選ぶと、DirectSound、ASIO、WASPIの項目が表示される。ここでASIOを選ぶと、あっさりと私が使っているUSB-DACのドライバーが表示され選択できた。これはMediaGoでは、”使用可能なASIOはありません”と表示されていた部分だ。早速、再生してみる、これまた何の問題もなくUSB-DAC経由で再生できる。Music Center for PCは、メーカーの垣根を越えてユーザーに新たな選択肢を与える音楽再生ソフトかもしれない。しかも嬉しいことに無料だ!

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2015/05/10

Vitaphoneレコード

 Vitaphoneレコードと呼ばれるレコードがあった。文献によれば、これは映画用、直径16インチ(40センチ)、毎分33 1/3回転、収録時間は約14分の容量をもっていた。直径30センチのLPレコードなら20分は収録できるのに、それより大きいのに時間が短いのはなぜだろう。

 じつはLPレコードとこの16インチレコードは回転数は同じだが、開発された時代と技術がまるで違う。

 LPレコードは1945年に開発された。それまでのレコードの材質を変えて音質改善、溝の間隔をせばめて長時間収録を可能にした。映画用16インチレコードは、それより20年前、映画がサイレントからトーキーになる1925年に開発された。これは家庭用レコードがまだ78回転だった時代だ。

 トーキーの仕組みでよく取上げられるのはフィルムに光学的音声トラックをもうけたもの。これはSound-on-film方式とよばれ多くの映画で採用された。じつはトーキー初期にもう一つの方式が開発されていた。音声をレコード盤に収録し、上映時にフィルムに同期して再生させるSound-on-disc方式。この代表例がWestern Electricが開発したVitaphoneだ。

 Vitaphoneの再生方法は、一般のレコードとちがっていた。一般のレコードは、ピックアップはディスク外周から内側にむかって進むが、Vitaphoneレコードはピックアップのスタート点をディスクの内側におき外側に向かって進む。なにか珍発明のようにみえるが、レコード再生に問題はない。

 VitaphoneのようなSound-on-disc方式が成功しなかったことは、映画史から明らかだ。しかし、そこで採用された毎分33 1/3回転数は、その後のLPレコードで一般に普及し。さらに収録・再生をディスクの内側から外側に向けて進める方式は、デジタル時代のCDで採用されている。このようにみればSound-on-disc・Vitaphoneは、レコード史に記すべき項目のひとつだろう。

 上記Youtube映像は、ワーナーブラザースが1927年にVitaphone方式で制作した映画”Jazz Singer”の一部。

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