あの頃の二つのジロー
かつて御茶ノ水近辺で”ジローへ行こう”と言うと、”どっちのジロー?”となることがあった。手軽にしっかりランチを食べようとなるとキッチンジローだが、たまにはオシャレな店へとなると喫茶ジローとなった。
キッチンジローも喫茶ジローも同じジローという名をもつが、この二つはまったく別の会社。キッチンジローは、創業者小林二郎の名に由来し、駿河台下・神保町に店があった。喫茶ジローは、シャンソン歌手イヴェット・ジロー(Yvette Giraud)の名に由来すると言われ、御茶ノ水に店があった。イヴェット・ジロー由来説は都市伝説ではないかとの声もあったが、これは本当の話らしい。
じつは最近になって知ったのだが、「このまま100歳までおいしゅうございます」(岸朝子、東京書籍、2012年)の中で、著者は”昭和30年(1955年)主婦の友社に入社した私は、会社から歩いて5分ほどの駿河台下にできたシャンソン喫茶「ジロー」に通いはじめた”とあり、”ジローは経営者の沖広治さんが集めた1000枚あまりのレコードが売りだった”、さらに”店名は当時の人気歌手イベット・ジローから”と述べている。これはシャンソン喫茶時代のジローへ実際に通った人の話だから確かだろう。
上に載せた写真は、イヴェット・ジローのCD(サイン入り)。
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