ミュージック

2022/08/21

レコード・カフェでアンフォゲッタブル

 「アンフォゲッタブル」といえば、1991年に発売されその年度のグラミー賞を受賞したナタリーコールのアルバムが真っ先に思い浮かぶ。

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 そのアルバムの中で曲Unforgettableは、父娘デュエットのように制作されていたが、父であるナットキングコールにも「アンフォゲッタブル」というアルバムがある。

 先日、甘木さんのカフェでそのLPレコードを聴かせてもらった。アルバム「アンフォゲッタブル」は、1946-1954年に録音された12曲を収録している。オリジナルは1955年発売だが、聴いたのは後に制作されたリマスター復刻盤。それはアルバム・タイトルにあるUnforgettableをはじめにToo Young、Mona Lisaなどのヒット曲が並び、まるでナットキングコールのベストアルバムのようなレコード。しかも予想以上に音が良い。

 ところで本格的なオーディオシステムでジャズを聴かせるジャズ喫茶、クラッシック音楽を聴かせる名曲喫茶などがあるが、ジャズからロックさらにポピュラーなど幅広いジャンルを聴かせる店は何と呼ぶのだろうか?

 調べてみたらミュージック・バー(カフェ)という呼び方があるそうだ。ちょっと漠然としているが、どこかオシャレな空間がありそうな気がする。さらにレコードカフェという呼び方もあり、これはちょっとストレートすぎるような。もしかしたら、店のマスターのレコード愛が強すぎてうちはCDは聴かせないなどの妄想も浮かぶ。いずれにしろ新しい動きが、いろいろ起きているようだ。

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2022/01/23

蘇るグレンミラー

 グレン・ミラーは第二次大戦中に搭乗した飛行機とともに1944年12月行方不明となり、その生涯はグレンミラー物語としてジェームス・スチュアート主演で映画化されたが、グレンミラー本人が出演した映画がある。


 銀嶺セレナーデ(Sun valley serenade)は、1941年に制作された映画。Sun Valleyというスキーリゾートを舞台にして、ノルウェーから来た元気がよい女性主人公に振り回されるラブコメディのような作品。じつはこの女性ソニア・ヘニーは、オリンピックのフィギアスケートで三連覇を果たした元アスリート、そのためかスキーやスケートシーンが多い。

 その女性主人公のお気に入りのピアニスト(こちらは俳優ジョン・ペイン)が加入しているバンドのリーダーが、グレンミラー本人なのだ。トロンボーンを吹きながら指揮をする姿がこの映画に残されている。

 上に載せた映像は、まさしく銀嶺セレナーデでの演奏シーンの一部、曲はIn the mood。この曲に加えてこの映画にはMoon light serenade, Chattanooga Choo Chooなどの演奏シーンもある。

 ところでグレンミラーの名を冠するオーケストラは、本家アメリカに加えてイギリス、EU、スウェーデンにもある。いずれもサウンドだけでなく演奏スタイルもグレンミラー・オーケストラを再現しており、なかでもスウェーデンのグレンミラー・オーケストラ・スカンジナビア(Scandinavia)は、指揮スタイルまで完璧。それが下の映像だ。


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2020/07/07

エンニオ・モリコーネのコンサート

 エンニオ・モリコーネが亡くなったとのニュースが昨日あった。彼は多くの映画音楽を作曲したが、自ら指揮する音楽コンサートも行っていた。

 上の映像は、ヴェネツィアのサンマルコ広場で行われたコンサート。曲は映画ニューシネマパラダイスのテーマ、これは説明は不要だろう。

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2020/04/25

あのディスコクイーンの曲名は

 理由は説明不要だろうが、このごろYoutubeで過ごす時間が増えている。はじめは画面に表示される”あなたへのおすすめ”を聴いていたが、ふと思いついて長年疑問に思っていた曲を探してみることに。

 以前、ある展示会で流れていた曲が気になり担当者にたずねたら、曲名は分からないが歌っているのはドナ・サマーだと教えてくれた。その後積極的に調べたことはなかったが、ときどきあの曲は何だったかと思い出すことがあった。

 さいわい歌のサビの部分をかすかに覚えていたので、聴けば分かるだろうとYoutubeでドナ・サマーを検索しリストされた曲を順に聴き、50曲目ぐらいでついにその曲にたどりついた。それはCould it be magic (邦題:恋はマジック)、初期のアルバムA Love Trilogyに収録されていた曲だそうだ。

 あらためてYoutubeで”Donna Summer Could it be magic"を検索して見つけたのが上にあげた1994年のライブ映像。そのエネルギッシュな歌いっぷりは、いま見てもぐっと来るものがある。

 それにしても長年の疑問であったドナ・サマーの曲名が判明したのはよいのだが、大切にしまっていた思い出をあっさり消去されたようで、ちょっと寂しい気もする。じつに勝手なものである。

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2020/02/09

レスポールは多重録音の先駆者でもあった

 レス・ポールはギブソン社エレキギターのモデル名として知られるが、それは1950年代に活躍したギタリストの名前に由来する。そのことは本で読んでいたが、彼が録音技術の発展に貢献したことは知らなかった。


 レス・ポールとメアリー・フォードが、どのように彼らのサウンドを創り出したかを紹介する映像がYoutubeにある。前半は面白コントのようだが、3分過ぎから制作過程のデモとなる。二台のテープレコーダーを駆使して、一台で再生しながらもう一台で録音し、それを繰り返すことで一つの作品に仕上げていく様子が分かる。いわゆる多重録音(オーバーダビング)による音作りだ。

 多重録音は映画制作では古くから行われたようだが、レス・ポールは1947年に多重録による音楽レコードを制作している。このときはアセテートディスクを使用する自作録音機材で多重録音を行い、出来上がったレコードはキャピトル・レコードから販売された。テープレコーダーは1935年頃にドイツで発明され、第二次大戦中に使用されたとされている。これがMagnetophoneである。アメリカでも開発されたが、実用機が登場したのは第二次大戦後の1946/47年頃だそうだ。

 1948年、自動車事故でケガをしたレス・ポールの元へビング・クロスビーからテープレコーダーAmpex300型が贈られた。再起したレス・ポールは歌手であり妻でもあったメアリー・フォードとともに1951年に「How High The Moon」をリリースし、これがミリオン・セラーとなった。Youtubeの映像(1953年)は、このヒットをうけてのものだろう。なお「How High The Moon」は、多重録音を12回行っていると言われている。

 さらにレス・ポールは多重録音のためにAmpexに8Track仕様のテープレコーダーを特別注文した。このモデルはAmpex Custom 300-8型として1957年に完成、マルチトラック・テープレコーダーの始まりである。このようにレス・ポールはギターだけでなく、音楽録音に大きな功績のある人だった。

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2019/04/20

Pikasso Guitar

 楽器メーカーが販売する有名演奏家の名のついたカスタムモデルは量産品の一部を変更した程度のものが多いが、なかにはデザインも構造も独自で完全に一品制作されたものもある。

 ジャズギターのパットメセニー(Pat Methey) とジャズ ベーシストのチャーリーヘイデン(Charlie Haden)のライブアルバムをYoutubeで観ていたら、複数のギターを合体させたような楽器の演奏映像があった。エレキギターでは6弦ギターと12弦ギターを合体したいわゆるダブルネックギターやネックを単純に5本並べた巨大ギターもあったが、パットメセニーのギターは色々工夫されているようなので調べてみた。

  Pikasso Guitarは、Linda ManzarがギタリストPat Methenyのために作ったギターだ。Manzarによれば、四つのネックと二つのサウンドホールを持ち、弦は42本となっている。ネックは2本のように見えるが、映像がアップになると四組の弦がボディ上で立体交差のように張られているのが分かる。6弦ギターが一つ、フレットなしの12弦らしきものが三組加わり合計42弦となるようだ。さらにManzarは、Pikassoを拡張したようなMedusa Guitarも作成しており、それは52弦になっているそうだ。

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