落葉の大イチョウを見る
「大きなイチョウの木の下で」紹介したイチョウを再び見に行った。
前回は黄葉真っ盛りで幹周りがはっきり見えなかったが、今はすっかり葉を落として幹や枝など全体の様子がよく分かる。
根元付近は太い一本の木のようだが、途中から細かく分かれて上に伸びている。分かれたそれぞれは十分太く枝と言うより木のようで、まるで木の集合体のようだ。実際は百本もないかもしれないが、この木を千本イチョウと呼ぶことに納得する。
「大きなイチョウの木の下で」紹介したイチョウを再び見に行った。
前回は黄葉真っ盛りで幹周りがはっきり見えなかったが、今はすっかり葉を落として幹や枝など全体の様子がよく分かる。
根元付近は太い一本の木のようだが、途中から細かく分かれて上に伸びている。分かれたそれぞれは十分太く枝と言うより木のようで、まるで木の集合体のようだ。実際は百本もないかもしれないが、この木を千本イチョウと呼ぶことに納得する。
近所のスーパーへ買い物に行く途中、シュロの木を見かけた。
施設休館にともない車がすべて消えた駐車場はいつもより広く見える、そのほぼ中心にシュロが大中小と三本並んでいる。いずれも幹が太くなかなか立派だ。
それにしても以前からここに駐車場があることは知っていたが、このシュロには気づかなかった。もしかして最近移植されたのかと思ったが、根元がしっかり地面に入っているので前からあったようだ。見落としたのか、見たのに記憶からこぼれ落ちたのか、何だろうか。
ところで、先日、映画バンドワゴンを観たとき、以前見つけたダンスシーンの途中で衣装デザインが違うものになる撮影ミスのような場面をまた見られると待ち構えていたが、最後までそれが映らず終わってしまった。あれは幻だったかのかとモヤモヤした気分を持ちながら、続いてザッツエンタティメントを観はじめたら、PART2の中でまさしくそのシーンが出てきた。
どうやら配役が同じでシーンも似ていたので記憶の中で入違ったらしい、駐車場のシュロにしろ映画のシーンにしろ自分のポンコツぶりにあきれてしまう。
景色がモノトーンになる冬は、赤い実がひときわ目立つようになる。クロガネモチもそのような木の一つだ。
まだ柿の木に実が残っていた頃は、ヒヨドリは熟した実に集まりしきりに啄んでいた。それがすっかり食べ尽くされた後は、このクロガネモチの周りを飛び回っている。次はこの実だと狙いをつけたのだろう。
それにしても冬に同じように赤い実をつける千両や万両と同じように、クロガネモチもどこかお金を連想する名前だ。まさしく、これらの木を金運に恵まれる縁起の良い木として植えることがあるそうだが、千両・万両の樹高が1m前後なのに対してクロガネモチは樹高10mと大きく成長する。
ということで2021年初の写真は、今年の良運と成長を願って赤い実をつけたクロガネモチを選んだ。
古い神社にある大きなイチョウがきれいに黄葉。その大きさは左下隅に立つ人の姿から想像できるだろうが、縦にも横にも大きい。
これは千葉県の京成八幡駅近くにある葛飾八幡宮の千本公孫樹(せんぼんいちょう)、推定樹齢1200年とされる国指定天然記念物。太い幹とその根元から生えた小さな子供のような木が合わさった大きなイチョウだ。
ところで、そもそも木の大きさはどうやってみるのだろうか。検索したら巨樹・巨木林データベース(環境省)というものがあり、その中で計測方法を述べていることを見つけた。巨樹調査マニュアルによれば、”「調査木」は、地上から130cm の高さで、幹周が 300cm 以上の木です”とあり、さらにイラストで幹周りの測り方を紹介しているが、木の高さについてはまったくふれていない。つまり木の大きさは、高さでなく幹の太さなのだ。
全国のデータを集めた巨樹・巨木林データベースによれば、日本一大きなイチョウは青森県の五能線北金ヶ沢駅近くにある「北金ヶ沢の大イチョウ」で、幹周りは22m。上の写真の葛飾八幡宮千本公孫樹は、幹周り12mでイチョウの第17位。日本で最も大きな木は、鹿児島県にある「蒲生の大楠」と呼ばれるクスの木で、その幹周りは24.9m。よく知られる屋久島の縄文杉の幹周りは16.1mだから、これらの木がいかに大きいか想像できるだろう。
今年の紅葉見物はどうしようか迷っていたら、近所で小さな紅葉をみつけた。
細いツタが竹に貼りつき上へ伸び、その葉が赤く色づいていた。葉の直径は1cmにも満たない小さなもの、一見、ミニチュア模型のようだがすべて本物である。盆栽の紅葉は、どこか人の手が入っていることを感じさせるが、これは完全に自然が作りだした紅葉風景。しかも葉だけが小さいのでなく、葉も枝も全てバランスよく整っている。
ところでツタに関して興味深い話がある。それは、平安時代の枕草子にある”削り氷にあまづら入れて”の”あまづら”は、ツタの樹液から作られたという話だ。
奈良女子大学は、「幻の甘味料あまづらの再現実験」として、その実験の記録と成分分析の結果を公開している。その中で、ツタから樹液(これを「みせん」と呼ぶ)を採取し煮詰めるまでの工程、さらに出来上がった「あまづら」の味について”なんとも上品、さらりと甘い、後味すっきり雑味なし、砂糖とも違い、ハチミツやメープルシロップとも違う”などの感想を紹介している。その原料となるツタは特別なものでなく、秋になると紅葉するよく見かけるツタだそうだ。
それにしても、近所でこのような紅葉が見られるとは思ってもみなかった。もしかしたら、これは遠出しなくても身近に紅葉はありますという自然の神様からのメッセージかもしれない。
膝下ぐらいの小さな木、濃い緑の間に白いものが点々とあることに気づいた。数年前も見かけたが、これはお茶の花。
その花の写真を撮っていたら、突然、ミツバチが横から飛び込んできた。花が少ない初冬、お茶の花はとても貴重な蜜源となる。密集めをするミツバチは、人など気にしていられないようだ。
それにしても急に寒くなった。写真を撮ってから数日後、同じお茶の木のそばを通ったら、花はまだ咲いていたがハチはもういなかった。以前見た科学番組では、”ミツバチは寒くなると外に出ず巣の中で過ごすようになる。体を寄せ合い温度を高め、温かい時期に集めたミツを食べて過ごす”と解説していた。
となれば写真のミツバチは間近にせまった冬に備えて蜜集め中、一生懸命なのもうなずける。
花弁が、わずかに紫色を帯びているこれはヨメナ(嫁菜)の花。
学名にAster Yomenaとあるように、ヨメナは日本固有のキク科植物である。
写真では葉の一部が虫に食われているが、春のヨメナの若葉が食べられることは植物図鑑にも記載されている。しかもなかなか美味しいらしい。ただしヨメナに限らず、まだ花のない春先に草の種類を見分けるのはとても難しいのは、食べられる野草に共通する問題だ。
ところでキク科植物は食用となるものが多い。春菊は説明不要だろうし、じつはレタスもキク科である。これらは地上にある葉や茎を食べるが、地中にある部分を食べるものもある。キクイモは、花はキクのようで地中にイモのようなものが出来ることから付けられた名前だそうだが、これもキク科であり地下茎にできるイモは食べられる。
イヌダテ(犬蓼)は、アカマンマと呼ばれることが多い。
なぜアカマンマかは、この花の姿と色をみれば想像できるだろう、子供たちが赤い御飯にたとえて遊んだことによるとされている。図鑑によっては夏の花としたものもあるが、開花期間が6月から10月と長く、秋でも見ることができる。
ところで、これは「草ずくし」(白洲正子、新潮社)に書かれていたことだが、ある草の花がアカマンマと似ているとある。それは藍染の原料となるアイ(別名アイダテ)である。アイの花はいままで見たことがなく、もしかしてアイの花はブルーだろうかと思ったほどだが、調べてみたらそうなのかとなった。
まずは藍染に使うのは、アイの葉を発酵させた蒅(すくも)と呼ばれるもので、花は使われないようだ。それではアイの花はどうかとなると、これは赤と白の二種類があり、写真で見る限りでは形はアカマンマと似ている。じつはアイもアカマンマも同じタデ科で、その花が似ていて当然かもしれないとなった。
| 固定リンク
最近のコメント