あの頃のカラー写真

2022/11/06

1958年のカラースライド#3 トロリーバス

 1958年サンフランシスコの3枚目の写真は、バスが行き来する広い通りを撮影したもの。

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 四車線の広い通りを撮っただけのように思ったが、右側のバスをよく見ると屋根から2本のポールが伸びている。もしかしてと道路の上を見たら、2本の電線が平行に張られている。これは電気で走るトロリーバスだ!

 サンフランシスコはケーブルカーが有名だが、トロリーバスもあった。東京もトロリーバスが走っていたが1968年までに全て廃止され、いまは見ることはできない。調べてみたらサンフランシスコのトロリーバスはいまも現役で、しかも車体を二台つないだ連節バスもある。その運行の様子は下に載せたYoutubeで見ることができる。


 映像の最後付近に集電ポールを下げて走行している映像がある。じつは現代のトロリーバスはバッテリーを搭載しているので自走可能となっているそうだ。このようなシステムならば日本でも導入できそうだが、どうだろうか?

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2022/10/29

1958年のカラースライド#2 チャイナタウン

 1958年サンフランシスコの2枚目の写真は、一方通行の道路に沿ってオリエンタル風の建物が並ぶ様子を撮ったもの。

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 通りの右側に大きく赤地に白で「CHOP SUEY」と書いた縦に細長い看板、Chop sueyはチャプスイと呼ばれるもので、様々なバリエーションがあるらしいが五目あんかけのようなものらしい。これはアメリカ風中華料理のメニューによくあるものだそうだ。通りの左側に屋根の端が反り返った塔をのせた建物が数棟並んでいる。交差点角左側のビルには「SING CHONG」の文字。ここはサンフランシスコのチャイナタウンだろう。

 Youtubeでこの道をドライブしている映像を見ると、CHOP SUEYの看板は文字は書き換えられているが同じ場所にある。交差点に面した塔をのせたビルも健在で、外観はいまも1958年当時とほぼ同じ。たぶん写真に写っていない通りの先に並ぶ建物も大きく変わっていないだろう。映像に次々あらわれる看板、最初は英文字だけだが、奥に進むにつれて漢字のものが増えてくる、その変化が興味深い。


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2022/10/22

1958年のカラースライドに写っていたのは#1

 1958 サンフランシスコと書かれた小さな箱に、路面電車のようなものを撮影したカラースライドが入っていた。

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 この写真の場所はどこだろうか?背景になっている建物にWOOLWORTH'S の文字があるので、検索してみたら似たような画像がたくさんみつかった。ここはサンフランシスコのPowell Street、路面電車のようなものはケーブルカー、後ろにあるWoolworth'sは全米に店を展開していたディスカウントストアのようなものらしい。

 写真は、ケーブルカーを転車台で方向転回させ押し戻そうとしているところだろう。じつはいまも同じように作業しており、その映像がYoutubeにある。背中で車両を押す様子はまったく変わっていない。


 それにしても日本で一般人の海外旅行が自由化されたのが1964年、「兼高かおる世界の旅」が始まったのは1959年だから、それらより前の1958年に日本のアマチュアが撮影した海外のカラー写真はとても希少だろう。しかもこれは国産富士フィルムのカラースライドなのだ。

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